Q: 今回のアップデートでアフィリエイトのサイトの順位のみが落ちていると思われますが、それについていろいろお伺いしたいと思います。

3月のアップデートでいくつものサイトの順位が低下し、今後の方向性を模索している中で、全日本SEO協会会員を見つけて入会させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。

今回初めてMONTHLY SEO REPORTを読ませていただき、疑問がありましたので投稿させていただきます。

というのも、私はWEBコンサルタントとして地元の中小企業のサイトを管理している傍ら、個人でアフィリエイトサイトの運営も行っております。

そんな中、3月のアップデートで起きたことと言えば、
『アフィリエイトサイトのみ順位が下がっている』ということです。
逆に中小企業さんのサイトは順位が上がっていることが多いです。

アフィリエイト業界でもここ数年は、検索意図に適したページ作りが徹底されてきていて、正直な話、企業さんのページよりも高品質なことも多いです。
検索意図を考えたコンテンツはもちろん、滞在時間等のエンゲージメントも問題ありません。

私のサイトではありませんが、有名なサイトですとhttps://ドッグフードの神様.comなどはサイト作りの見本となっていたサイトですが、今回のアップデートで低下したようです。

そんな中で多くのアフィリエイターは、今回の順位低下の原因が分からずに、売上が激減し、引退を余儀なくされている方も多いようです。

また、私が順位安定の目安としている方法として、記事タイトルまるごとの文章で検索してみる、というのがあります。

当然、そのテーマと全く同じテーマで書いている記事は2つと存在しませんので、普段はその記事が1位表示になります。しかし、先日のアップデート以降、記事タイトルまるごと文章で検索しても、10位前後になってしまうのです。

これは何かしら明らかなペナルティを受けているような挙動に見えます。これらのことから、今回のアップデートによる順位のアップ、低下の原因の主なところが、『検索意図を満たした高品質なページ』だとは思えないのです。

今回のレポートにある「検索意図に沿ったページ作りをしてきたところの検索順位が大幅に上昇」というのはかなり違和感がありました。

もちろん、高品質なページがあるのは前提として重要なことだとは思いますが、明らかに高品質なサイトの順位が低下しているのを見ると、何か他に大きな理由があるように思えます。

例えば、私の管理しているサイトの例で見ると、中小企業さんのサイトは「誰が管理者なのか」という部分がハッキリしていることが多く、逆にアフィリエイトサイトの場合は、匿名な場合が多かったりします。

もちろん、先のアフィリエイトサイトのように、管理者がハッキリしている場合でも順位低下していますので、これが原因とは言い切れませんが。
もしくは、アフィリエイトサイトは被リンクを受けづらい、という特長もあるように思います。

2018年の健康アップデートでも、低品質なページというよりは、明らかに特定のジャンル・キーワードでの順位操作(フィルター?)が行われているように思えます。
今回も検索キーワードによっては、大手サイトしか上位表示されていなく、やはり何かしらのフィルターがかかっているように思えます。

今後サイトを管理する身としては、この辺りの原因をある程度把握したいと思い、日々検証を続けておりますが、何かアドバイスいただけると幸いです。
今後共よろしくお願いいたします。


A:

非常に示唆に富んだご質問をいただきありがとうございました。

おっしゃるとおり検索意図が全てではありません。私がこれまで出会ったケースでは検索意図に沿っているのに順位が落ちてきているサイトに見られる順位ダウンの理由としては次のようなものがあります。

1、E-A-Tが不十分
→ E-A-Tはサイトの専門性、権威性、信頼性のことでこれまで協会のニュースレターや私のブログ記事:https://www.web-planners.net/blog/archives/000322.html
で解説してきたものです。
例えば今回例としてお伝えいただいたドッグフードのアフィリエイトサイトは最低2つの点で問題があります:
(1)出所不明のクチコミ情報がもっともらしい星印などと一緒に多数掲載されいる
(2)根拠が今の基準ではやや薄い審査体制で各メーカーの商品がランク付けされている

私個人はこのサイトあるいはこのサイトがやっているようなことは素晴らしいと思いますし尊敬します。
しかし立場をかえて考えてみて下さい。たくさんのメーカーがこうしたランク付けにより不利益を被っており、不快に思っている可能性もあるのではないでしょうか?

その場合Googleに何度も苦情を言っている可能性もありますし、最近のGoogleは昔のGoogleとは違い、以前と比べると企業の顔色を伺ったり、各国の政府からのバッシングを避けるために無難な検索結果を作ろうとしています。
もはや今のGoogleは昔のバンチャー時代の勇敢なGoogleではなく、体制側についている会社なのです。アフィリエイターやそれに近い情報サービスをWeb上で提供しているところはこの厳しい現実を直視すべきです。
今後はそうした反対側の立場に立ってみんながハッピーになるコンテンツを提供していかないといくらこれまでは上位表示していたからと考えても何の問題の解決にもなりません。

こうした理由により今後のアフィリエイターは体に作用する商材を取り扱う場合はそうした点にたくさんのエネルギーを注がなくてはなりません。
とてもいやなことを申し上げたと思いますが心苦しいです。しかし、私は御社の皆さんには必ずよくなっていただき大成功してほしいと思っております。そのためのことですのでお許し下さい。

2、運営元の信頼性が低い
→ Googleはいくらサイト上に社名や責任者、住所、連絡先が掲載されていてもそれだけで警戒をしなくなるということはありません。
海外のSEOカンファレンスでも言われていることですが、GoogleはSNSがどれだけ活発か、どれだけの信頼できるサイトにその企業名が掲載されているか、好意的に紹介されているかなどのサイテーション調査を行い、サイト運営者の信用をチェックしているそうです。

ですので、しっかりした運営元だということを社会的に証明するために絶え間ぬPR活動、サイテーション獲得活動をするようにしてください。
そうしないといくらサイトのコンテンツが素晴らしくても、サイトの作りが素晴らしくても何も評価はしてくれません。
サイトの作品性により検索順位が決まるということは少なくてもYMYL(Your Money Your Life: 医療・健康サイトのような人の命に関する情報を取り扱うサイトと、投資や金融などの人の経済に影響を与えるサイトの総称)のジャンルのサイトには全くありません。

YMYLに関する解説は:https://www.web-planners.net/blog/archives/000322.html

https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/documents/How_Google_Fights_Disinformation.pdf
をご覧下さい。

相当厳しくGoogleがサイト運営者のことを審査していることがわかります。

3、キーワード出現頻度が高すぎる
→ キーワード出現頻度先にありきではなく、競合他社で上位表示しているWebページを5つ程度選び、それらのページのキーワード出現頻度をSEOロボットドクターなどで調べてみて下さい。そして自サイトのWebページと比較して、目標キーワードの出現頻度を上位表示している競合のWebページと同じ程度か、少しだけ多いくらいにすると良いです。
反対にそれら5つの上位表示しているWebページより自サイトのページの目標キーワードの出現頻度が高いとGoogleからキーワード詰め込みのペナルティーを受けやすくなります。

4、サイト内に低品質ページが大量にある
→ 過去1年くらいのニュースレターが私も説明してきましたが、サイト内に低品質ページが多数あるとそれらのせいで検索順位が下がります。
低品質ページとしてよくあるのが:
(1)低品質なブログ記事
(2)大量のリンク集ページ
(3)大量のお客様の声ページ
(4)大量の新着情報
(5)大量の画像しか載っていないページ
(6)他社のサイトに載っていることを転載しているだけのページ

などがあります。

それらをサイトから削除するか、改善できるものは改善して、2から4ヶ月、平均3ヶ月くらいすると検索順位が復活することが多いです。

5、被リンク元の有効性が失われた
→ SEO目的のために自分で集めた被リンクのほとんどが現在では効果がありません。それらの効果が突然ある時無効化されると検索順位が大きく落ちたままになります。全くの他人がそのページをより多くの人達に見てほしいという自発的な意思で張ったリンクや、権威のあるサイトからのリンクが現在のSEOでは効果があります。
被リンク対策についてはhttps://www.ajsa-members.com/seminars/google-hilink/
にセミナービデオがありますのでぜひご覧下さい。

また、特別研究員の郡司武さんのGoogle特許についての動画:
https://www.ajsa-members.com/seo-video/conference/research-conference2018.php

https://www.ajsa-members.com/seo-video/conference/research-conference2017.php

https://www.ajsa-members.com/seo-video/conference/
も未視聴でしたら全てご覧下さい

の5つがあります。


ぜひこうした面を確認して、できそうなところから改善して下さい。
うまくいくことを祈っています!/

2020年03月04日
カテゴリ:その他SEO対策